順序数 (Ordinal number) とは、ゲオルク・カントールによる自然数を拡張した概念であり、整列集合順序型である[1]

すべての有限な全順序集合整列集合であることは、簡単にわかる。要素の数が自然数 k 個である2つの全順序集合は順序同型であり、同じ順序型を持つ。そして、k がこの集合の順序数である。すなわち、自然数は有限順序数である。

有限でない順序数を超限順序数 (transfinite ordinal) と言う。最初の超限順序数は、 と表記され、自然数全体の集合 の順序型である。これは、カントールが定義した超限数 (transfinite number) の中で最小である。

順序数は整列集合である。順序数を小さい方から大きい方に順番に並べると、 となる。ここで、順序数の加算では交換法則が成立せず、 となる。

フォン・ノイマンによる定義

が順序数 の整列集合であるとき、 よりも小さいすべての順序数の集合は、A と順序同型である。このことから、順序数を自分自身よりも小さいすべての順序数の集合として定義することができる。ジョン・フォン・ノイマンは、順序数をそのように定義した。これは標準的な順序数の表記法であり、その表記法によれば、次のようになる。

記号 要素 説明
0 {} 空集合
1 {0} 要素が1つの集合
2 {0, 1} 要素が2つの集合
3 {0, 1, 2} 要素が3つの集合
:
{0, 1, 2, ...} すべての有限な順序数の集合
{0, 1, 2, ..., ω}
:
すべての可算な順序数の集合

すべての順序数からなる集合は存在しない

任意の順序数 に対して、 の和集合は、 よりも大きい順序数 となるため、最大の順序数は存在しない。そして、すべての順序数からなる集合は存在しない。これは、集合ではなくてクラス(真のクラス)である。

後続順序数と極限順序数

順序数 後続順序数 (successor ordinal) であるとは、 となるような順序数 が存在することを意味する。0 でも後続順序数でもない順序数を極限順序数 (limit ordinal) と呼ぶ。は最小の極限順序数である。

順序数の演算

整列集合の演算を参照。

を有限順序数とすると、 と等しく、 と等しい。 と書けるいかなる順序数よりも大きく、 よりも大きい。

カントール標準形

すべての順序数 は、次のように一意に書くことができる。 ここで、k は自然数、 は正の整数、 は順序数である。これを、順序数 カントール標準形と呼ぶ。 の degree と呼ばれ、 が成り立つ。等号が成立、すなわち が成立するための必要十分条件は、 が成立することである。

カントール標準形によって、自然数と から、加算、乗算、べき乗を有限回繰り返して得られる順序数 を、一意に表記し、大小関係を調べることができる。すなわち、カントール標準形で の時、 をカントール標準形で書くことができる。すべての指数部分をカントール標準形で書くことを再帰的に繰り返すことにより、例えば、

のように順序数を一意に表記することができる。

順序数 をみたすとき、エプシロン数と呼ぶ。最小のエプシロン数は と表記される。これは と自然数から、有限回数の加算、乗算、べき乗によって表記することができない最小の順序数である。

基本列

順序数の基本列を参照。

関連項目

出典

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